無線機の導入を検討されている方は、購入かレンタルのどちらを採用するかお悩みではありませんか。それぞれの手段ごとに適切な利用シーンや業種が異なるので、両者の違いが分からないまま選んでしまうと、コストや業務効率の面でデメリットが目立つおそれがあります。

そこで本記事では、無線機の購入とレンタルを比較しつつ、おすすめの機種を紹介します。ぜひ無線機導入にお役立てください。

購入とレンタルを比較

無線機導入の際に購入とレンタルのどちらを選択するかは、以下のポイントを比較してください。

● どのくらいのコストで導入できるか

● メンテナンスの手間はかかるか

● 長期的に利用できるか

● 新品で利用できるか

● 使いたいときにすぐ使えるか

● 使い慣れた機器を利用できるか

● 用途によって柔軟に機種を変更できるか

どのくらいのコストで導入できるか

無線機を導入するにあたり、どのくらいのコストがかかるかは重要なポイントです。用意できる予算と照らし合わせて、予算内に収まる方を導入しましょう。購入・レンタルそれぞれのコスト面での特徴は以下のとおりです。

購入導入コストが高い
使う期間が長いのであれば、レンタルよりも安くなる
レンタル導入コストが安い
繰り返しレンタルするのであれば、購入よりも高くなる

購入の場合、機種によって異なりますが、無線機の購入費用や通信費、申請費やメンテナンス費用などがかかります。一方でレンタルの場合、発生するコストは基本的にレンタル費用だけです。そのため、一度きりのイベント時など短期的に使うのであれば、レンタルの方が低コストで導入できます。

しかし長期的な使用が見込まれる場合、購入の方がコストパフォーマンスに優れる可能性が高くなります。一度購入してしまえば、定期的にかかるコストは通信費やメンテナンス費用だけとなるため、たびたび使用機会があるなら購入の方がおすすめです。

一方レンタルの場合は、使うたびにレンタル費用を支払う必要があります。長く使えば使うほど、購入とレンタルのコストの差は縮まっていき、最終的にはレンタルの方が高コストになります。

メンテナンスの手間はかかるか

メンテナンスのしやすさは業務に影響のある重要なポイントです。メンテナンスに時間が取られると、業務のための時間が大幅に削られるおそれがあります。

購入かレンタルかで迷われている場合は、メンテナンスのしやすさを比較してください。メンテナンス面でのそれぞれの特徴は、以下のとおりです。

● 購入:定期的なメンテナンスが必要

● レンタル:メンテナンスが不要

無線機は長い間使い続けると、メンテナンスが必要になります。したがって、購入の場合は同じ無線機を長い間使うことになるので、定期的なメンテナンスは欠かせません。

一方レンタルの場合、メンテナンスはレンタル業者が行ってくれます。そのため利用者がメンテナンスをする必要はありません。

長期的に利用できるか

無線機の長期的な利用が前提の場合、同じ無線機をどれだけ長く利用できるかは重要なポイントです。結論から述べると、購入とレンタルのどちらも長期的な利用はできます。しかし、その特徴は異なります。

購入の場合、一度購入すれば長期間常に利用できる状態が続きますが、定期的なメンテナンスは欠かせません。一方レンタルの場合は、レンタル業者がサービスを停止しない限り無線機を利用できますが、定期的にレンタルの手続きを行う必要があります。

このように、購入とレンタルでは特徴が異なるため、どちらが自社に適しているかを見極めるようにしてください。

新品で利用できるか

購入とレンタルでは無線機の状態が異なります。購入の場合は新品を購入するため、未使用品の無線機が手に入ります。

レンタルの場合、貸し出される無線機は別の利用者が使用したものであるため、利用者が返却する度に、レンタル業者による清掃が実施されます。また、誰かが使用したからといって機能が劣るわけではありません。

しかし、使用感のある無線機を使うことに抵抗を覚える人は少なからずいます。そのような人は、レンタルは不向きといえます。

使いたいときにすぐ使えるか

無線機は、緊急事態で利用することも少なくありません。そのため、使いたいときに使えるかどうかは、無線機を導入するうえで重要なポイントです。購入の場合は、一度購入すればずっと手元に残るため、緊急時でもすぐに使用できます。

レンタルの場合、レンタル期間外に災害などの緊急事態が起これば無線機を使うことができないのは明らかです。緊急事態でなくても、手続きや支払い、機種選択などがあるため、

レンタル依頼から実際に手元に届くまで、最低でも1日はかかります。。緊急を要する状況においては、致命的な欠点です。

とはいえ、購入の場合でも日頃からメンテナンスや充電を実施し、いざというときに不測の事態が発生しないよう注意しましょう。

使い慣れた機器を利用できるか

業務用の無線機を使う上で、使い慣れた機種を選ぶことは重要です。レンタルの場合、常に最新機種をレンタルする方針の企業もあります。

その場合、毎回使い慣れていない機種が支給されることになるので、その都度使い方を覚えなければいけません。使い慣れるまでに時間がかかったり、操作が苦手な機種が支給されたりすることもあります。

使い慣れていない機種では操作がおぼつかず、スムーズな通信ができません。とくに、緊急を要する通信を行う場合だと、業務に支障をきたしてしまいます。

購入の場合は一度操作方法を覚えてしまえば、買い替えを行わない限りは機種が変わる可能性がないためスムーズに操作しやすく、効率的です。

用途によって柔軟に機種を変更できるか

業種によっては無線機を複数の業務で使うこともあります。たとえば、複数人同時での通信が必要な業務や、広範囲での通信を必要とする業務などです。

こうした業務に柔軟に対応するには、さまざまな使い方ができる無線機を導入するか、あるいは業務によって使う無線機を変える必要があります。

こうした柔軟な利用に向いているのはレンタルです。レンタルであれば、貸出のたびに違う機種を導入できるので、さまざまな機種を幅広い用途で利用できます。

購入だと同じ機種で複数の業務に対応しなければいけないので、業務内容によっては対応できないケースもあります。複数の機種を購入すれば解決できますが、その分コストがかかってしまいます。

購入の場合におすすめの無線機

無線機を購入する場合、おすすめの無線機は以下の3種類です。

● TCP-D261BT

● MiT5000

● IC-DU75

それぞれの特徴や向いている業種を解説します。

TCP-D261BTの特徴

TCP-D261BTは、聞き返しが少ないスムーズな会話を実現できる無線機です。「はっきり聞取りモード」を搭載しているため、周囲が騒音だらけの環境やマスクが必要な環境でも、音声が聞き取りやすくなります。

さらにデジタル無線機のネックであった音声遅延、送信から受信までのタイムラグを30%短縮しているので、ほぼオンタイムで相手に伝わります。

また、前身モデルのTCP-D251Cに比べて薄さや見やすさ、使いやすさが進化しているのも特徴です。とくに薄さは、業界トップクラスを誇り、作業着やユニフォームのポケットに入れてもかさばりません。イベントや結婚式会場などのスタッフにおすすめです。

デジタル時代の革新モデル ケンウッド「TCP-D261BT」の詳細は、こちらから確認できます。

MiT5000の特徴

MiT5000は、過酷な現場で働くプロフェッショナルな現場に向いています。防塵や防水の基準であるIP67に指定されており、粉塵の被害を完全に防げるうえに、ある程度の浸水であれば影響は出ません。

こうした高い防塵・防水性能を持つため、水やほこり、砂が舞う現場での通信をよりよいものに変えてくれるでしょう。さらに落下テストや温度ショックテストなど、多岐にわたる厳しいチェックを耐える信頼性を兼ね備えています。

もちろん、通信の快適さも重視されています。メーカー独自のチップセットを搭載しているため、クリアな音声通信が可能です。

ノイズキャンセリングに優れているだけでなく、周囲の騒音を感知して受信音量を自動調整するインテリジェントオーディオライト機能を備えているため、雨風が吹くなかでの作業でも十分に活用できます。

非常にタフな1台であり、屋外の建設作業や山間部の電線工事を行う業種にもおすすめです。

デジタル無線機の最高峰 モトローラソリューション「MiT5000」の詳細は、こちらから確認できます。

IC-DU75の特徴

通信の範囲が広い場合、複数エリアの通信をまとめるリーダーを設けることがあります。リーダーは複数エリアと通信を行う必要があるため、複数の無線機を所持するケースも少なくありません。

しかし、複数の無線機を持つとどの無線機がどこにつながるのかわからなくなったり、かさばったりします。そうした問題を解決できるのが、IC-DU75です。

IC-DU75はひとつの無線機に3つのチャンネルを登録できるので、1台持っておけば3エリアとの通信ができます。

したがって、無線機を複数持つスタッフの負担を軽減したい場合におすすめです。

最大3チャンネルのサブチャンネルPTT機能搭載 アイコム「IC-DU75」の詳細は、こちらから確認できます。

レンタルの場合におすすめの無線機

無線機をレンタルする場合、おすすめの無線機は以下の3種類です。

● TCP-D561BT

● IP502H

● IP700

それぞれ特徴や向いている業種を解説します。

TCP-D561BTの特徴

無線機をレンタルするにあたって問題となるのが、レンタル品の使用感に抵抗がある社員がいるかもしれないということです。事実、レンタル品を懸念する社員は少なくありません。担当者が無線機を選ぶ際、頭を抱える原因となるでしょう。

しかし、TCP-D561BTであれば、そうした問題を解決できます。TCP-D561BTは、抗菌・抗ウイルス作用の空気触媒を採用しており、ウイルスや菌をはじめ、臭いのもととなる物質に作用することで清潔な状態を保てるため、レンタル品への抵抗を低減できます。

また、ジャパンエニックスでは、イヤホンやマイクの清掃と消毒を入念に行っており、常にベストコンディションでレンタルいただけます。とくに、飲食店や学校といった清潔さが求められる現場におすすめです。

さらに、TCP-D561BTには優れた防塵・防浸性能もあり、幅広いシーンで安心してお使いいただけます。

抗菌・抗ウイルス材の空気触媒「セルフィール®」採用モデル ケンウッド「TCP-D561BT」の詳細は、こちらから確認できます。

IP502Hの特徴

IP502HはLTE回線を利用しており、全国区で通信ができるため広範囲で通信を行いたい場合に向いています。同時通信や多重通話にも対応しているほか、業界のなかでも最小クラスのコンパクトさを実現しており、携帯面でも優秀な機種です。

そのため、警備やイベント運営をはじめとしたさまざまな業種で利用されています。実際、IP502Hは東京2020オリンピック・パラリンピックでも利用された実績があります。

通信が混雑する際は、回線を切り替えて安定した通信ができる回線に切り替えましょう。NTTドコモの3G/LTE回線とauの4G LTE回線が選べるうえに、切り替えは手元で簡単に行えるので安心です。

日本全国通信可能なLTEトランシーバー アイコム「IP502H」の詳細は、こちらから確認できます。

IP700の特徴

IP700は、LTEトランシーバーとデジタル簡易業務用無線機が1台になった無線機です。キャリア回線の障害時にLTEトランシーバーとして通信ができなくなったとしても、ボタンひとつでDCRモードに切り替えられ、デジタル簡易業務用無線機として通信できます。

またデュアルSIMにも対応しており、au回線とドコモ回線を切り替えながら使用することも可能です。そのほか、高い防塵・防水性能や録音再生機能、ワンアクションでの緊急呼び出し機能も搭載されており、あらゆるシーンで活躍できる機種で、上記のTCP-D561BTとIP502Hが1つに融合した無線機です。

IPトランシーバーとデジタル簡易無線機が1台となった アイコム「IP700」の詳細は、こちらから確認できます。

まとめ

無線機を導入する際、購入かレンタルかを選べます。どちらにも長所や短所があるため、どちらを採用するか迷ってしまうでしょう。その際は、本記事で紹介した比較ポイントを参考にしつつ、自社の業務内容と照らし合わせて選ぶようにしてください。

なお、ジャパンエニックスでは、無線機の購入とレンタルのどちらも承っています。現在、無線機の導入を検討されているのであれば、ぜひお問い合わせください。