IP無線機は無線機のなかでもまだ歴史は浅いですが、より効率のよい電波利用のためのデジタル化促進にともない、350MHzおよび400MHz帯のアナログ簡易無線局の周波数が2024年11月30日をもって使用期限を迎えるといった理由から普及が進んでいます。
IPとはインターネット・プロトコル(Internet Protocol)の略称で、IP無線機とは携帯電話のパケット通信網やWi-Fi無線網のパケット通信機能を使用した無線機を指します。本記事では、IP無線機の特徴や料金の目安、料金を安く抑えるコツについて詳しく紹介します。

IP無線機の価格

IP無線機は従来の無線機と違い、携帯電話の回線を使用するため携帯電話の料金システムと同じように毎月の通信料金がかかります。IP無線機を使用した場合に発生するコストについて理解し、利用方法を検討しましょう。

購入する場合

まず、購入する場合は本体代金が発生します。安いものでも60,000円台、種類によっては100,000円ほどかかることもあります。
また、中古品を購入する場合は新品より安くなる傾向がありますが、製品の状態が把握しにくく、購入して間もないうちに故障したり、買い替えが必要になったりと手間が増えてしまう可能性も考えられるため、注意が必要です。

次にIP無線機は、ほかの無線機とは異なり通信料金が発生します。基本的に通信料金は定額制で、1,500~2,500円が相場です。オプションを購入した場合は、月額の通信料金にオプション料金が上乗せされます。

レンタルする場合

レンタルの場合、借りる日数分のレンタル費用がかかります。本体機器と一緒にイヤホンなどのアクセサリ類もレンタルする場合や、GPS機能を利用したい場合は、追加料金がかかることも把握しておきましょう。本来かかる通信料金はレンタル代に含まれています。

短期レンタル

レンタル金額は業者によって違いはありますが、借りる期間が長ければ長いほど月々のレンタル費用は安くなる傾向があります。一泊二日程度なら3,000~6,000円、一ヶ月レンタルの場合は、月々10,000円~15,000円前後が相場となり、本体を購入するよりも安価で使用できます。
早期割引やボリューム割引を実施している業者もあるため、有効活用すればよりコストを抑えられます。

長期レンタル

数年単位でレンタルする場合、月々の費用は9,000円台ほどとなり、期間内の故障や不具合を追加料金無しで対応してくれる業者もあります。さらにメンテナンス料がかからないため、使用状況によってはレンタルを活用したほうがよい場合もあります。
しかし、契約期間内に解約してしまうと解約料金が発生する場合や、最終的なコストは購入よりも高くなる場合もあるため、使用期間や発生する料金はしっかりと確認することが大切です。

他の無線機との価格を比較

IP無線機は、購入代金に加え通信料金がかかるため、コストが高額になる傾向があります。では、実際にその他の無線機と比べてどれくらい差が出るのか比較してみましょう。

特定小電力トランシーバー

特定小電力トランシーバーは購入の場合は、10,000~30,000円、レンタルの場合は、1泊2日で1,500円前後、4泊5日で2,500円前後が相場で通信料はかかりません。IP無線機と比較すると、どちらにしても半分以下の金額であることがわかります。
P無線機と特定小電力トランシーバーの大きな違いは通信範囲です。IP無線機は通信距離の制限がないため、電波が入るエリアであればどれだけ離れていても通信できます。一方、特定小電力トランシーバーは使用環境にもよりますが、おおよそ100mから500m程度が通信範囲であるため、使用場所が広範囲の場合は、注意が必要です。

簡易業務用無線

簡易業務用無線は購入の場合は、50,000~100,000円、レンタルの場合は、1泊2日で1,800円前後、4泊5日で4,500円前後が相場で、特定小電力トランシーバーと同じく通信料はかかりません。購入の場合の本体価格はIP無線機とさほど変わりませんが、レンタルの場合は半額以下です。また、簡易業務用無線は通信料が発生しないため、IP無線機と比較すると簡易業務用無線の方が安価です。

ただし、簡易業務用無線を使用する場合は、無線局を開局する必要があり、免許を申請して開局する免許局か、登録の届出を行う登録局のいずれかの手続きが必要です。また、IP無線機は誰でもすぐに使用できますが、簡易業務用無線の免許局は免許を取得した人や団体しか使用できない特徴があります。

購入とレンタルはどちらがおすすめ?

IP無線機を導入する場合、購入とレンタルではかかるコストが大きく異なりますが、一概にどちらがよいと言い切ることはできません。使用期間によっておすすめする利用方法に違いがあるため参考にしてください。

購入がよいケース

IP無線機を長期間に渡って継続的に使用する場合は、初期費用はかかりますが毎月のコストを抑えられるため購入をおすすめします。また、予算に余裕が無い場合など、必要な台数の半分を購入し、残りはレンタルで済ませ、予算に余裕ができたときに買い足すというのも有効です。

ただし、不具合や故障が生じた場合は、メンテナンス料や修理費がかかります。雑な扱いをしていると短いスパンで買い換えることにもなり、コストが増えかねません。さらに、屋外でのイベントや工事現場などのハードな環境は消耗が激しいことが考えられるため、実際の使用環境を考慮したうえで購入を検討する必要があります。
しかし、防水機能・防塵機能が搭載している機種も豊富にあり、取り扱い方法を徹底することで長期間使用できるため、日々の管理が非常に大切といえます。

レンタルがよいケース

ライブや展示会など使用期間が一時的な場合は、レンタルを活用した方がコストを抑えられます。さらにレンタル期間の長さによって、期間内の故障や不具合を追加料金無しで対応してくれる業者や、通信に支障が出た場合には、IP無線機を交換するサービスを実施していることもあります。

サービス内容やトラブル対応などは業者によって異なるため、業者を選ぶ際はトラブルが起きたときの対応時間など、細かい点も事前に確認しましょう。

ジャパンエニックスは、常にバッテリーが満充電状態の無線機を用意しているだけでなく、イヤホンからマイクに至るまですべて消毒済のため衛生面も安心です。業界トップクラスの台数を保有しており、使用ご説明はもちろん無線機配備補助や周波数の管理まで安心して使用できるサポートが整っています。

IP無線機の料金を抑えるコツ

IP無線機は通話方法がシンプルで安定した通信ができるため、あらゆるビジネス現場で円滑なコミュニケーションを取る手段として普及が広がっています。基地局の設備や免許も不要で作業効率が上がる便利な機器であるため、気になるコストは販売店のサービスを有効活用して抑えましょう。
最後に、お得にIP無線機を導入するためのコツをいくつか紹介します。

コツ1:キャンペーンを活用する

IP無線機を扱う販売店では、機種交換や複数の台数を購入することで割引や初期費用が無料になるキャンペーンを実施していることが多いです。導入のために大量に購入を検討している方や買い替えを検討している方は、キャンペーン期間中に購入すればコストを削減できます。
そのほかにも、プレゼントを配っていたりレンタル利用で割引になったりと、業者によってさまざまなキャンペーンを実施しているため上手く活用しましょう。

コツ2:レンタルを活用する

レンタルを活用する大きなメリットは日々の管理、免許やメンテナンスの手間、保管スペースなどが不要になるため負担が減ることです。管理が難しい場合や、消耗が激しい業種での利用の場合は、レンタルを活用すればコストを抑えられる場合もあります。
また、新しく購入を考えている人もレンタルを有効活用するとよいでしょう。IP無線機にはハンズフリータイプ・車載タイプなど豊富な種類があるため、機能性や操作感をあらかじめ試せば必要な台数や使い勝手などを確認できます。より使い心地の良い機種を見極めてから購入できるため後悔を防げます。

コツ3:アプリを活用する

レンタルや購入するよりもさらに料金を安く抑える方法として、IP無線機アプリの利用があります。名前のとおり、スマートフォンをIP無線機として使用できるアプリで、アプリ同士の通話はもちろん、対応している機種との同時通話もできるため、機能面に違いはありません。またアプリの費用だけで使用できるため、コストを大幅に抑えて利用できるのが最大の強みです。
しかし、スマートフォンのバッテリー消費量は無線機よりも多い傾向にあるため、長時間の使用が難しいというデメリットがあります。また、本体の耐久性は無線機より劣るため、屋外で使用の場合、何らかの対策が必要になります。

現代社会ではほとんどの人が携帯を所持しているため、できる限りコストを抑えたい場合は、アプリの利用を検討するのもひとつの手です。

まとめ

IP無線機は、本体の購入費用またはレンタル費用以外にも、月額1,500~2,500円ほどの通信料金が発生することから、ほかの無線機よりも高額となる傾向があります。
しかし通信距離が広く、屋内外問わず安定した通信を行えるほか、暗号化によってセキュリティ対策のとられた通信が行えるため、ほかの通信機器より安全性が高い点がメリットです。

ジャパンエニックスは1981年より業務用簡易無線機を中心に一般業務用無線機や特定小電力トランシーバーなどの販売を開始し、これまで納入させて頂いた企業様の業種・業態は多岐に渡ります。
販売だけでなくレンタル事業では豊富なノウハウと業界トップの保有台数・品揃えでご希望のオペーレション体制を整えています。さらに、納品後のメンテナンスやアフターケアを、豊富な専門の知識と経験を備えた技術部員がサポートいたします。

また初めて無線機の導入を検討されている方には、使用人数・頻度・現場の状況に希望のご予算からお客様に最適の無線機をご提案いたします。現在すでに無線機利用中で、お持ちの無線機の修理・不明点・お悩みなどもジャパンエニックスにご相談ください。