電波利用料は無線局の免許を持っており、電波を使用している人が国に支払う料金です。集められたお金は、電波を正しく安全に利用するための環境整備に使われています。この記事では、電波利用料が具体的にどのように利用されているのかに加えて、利用料の金額や納付方法も解説します。
また、電波利用料がかからない無線や、仮に支払いを怠った場合どのようなことが起こるのかもあわせて解説しています。本記事を通じて電波利用料の理解を深めましょう。

電波利用料とは

電波利用料とは、無線通信を円滑に行うため国が徴収する費用です。日本での電波の公正な使用を保つため、電波法に基づき無線局を運営する人々から徴収されます。具体的には、放送局や基地局、アマチュア局など無線局を設置した人が対象です。
電波利用料の制度は、1992年の電波法改正にともない1993年から開始され、世界中の無線局にも同様の制度が存在します。簡単に言うと、電波利用料は無線通信の管理にかかる国の経費を賄うために利用されています。

電波利用料が必要な理由

政府が電波利用料を導入した主な理由は、電波環境を守り、無線通信の利用を効率的にするためです。日本ではテレビやスマートフォン、緊急時の通信など、さまざまな目的で電波が使用されています。
電波利用料は、上記のような電子機器の利用が公平かつ安全に行われるように、不正使用の監視や電波の適正な使用を推進するための費用として設けられています。利用者全員が等しく負担することで、電波の適正利用を促進し、無免許の不正使用や妨害行為による問題を防ぐねらいがあります。

徴収された料金は、無線電波の監理システムの運用や電波資源の研究開発、環境整備などに使われます。

電波利用料の金額

電波利用料の金額は、無線局を運用する目的に応じて変わり、政府による定期的な見直しを受けることもあります。料金はすべての無線局において、一局ごとに適用される点にも注意が必要です。複数の無線機を使用する場合、その台数分の料金を支払う必要があり、結果的にかかる費用は多くなる可能性があります。
しかし、国や自治体が運用する無線局、または公共的なサービスを提供する事業は料金が免除されることあります。このような料金体系は、電波利用者が安全かつ公平に電波を使えるように設計されており、無線通信の適切な管理と利用を支援する目的があります。

電波利用料の納付方法

電波利用料は、無線局の登録を行っている人が支払う料金です。その納付方法には、以下4つの方法があります。

  • 1.納入告知書
  • 2.インターネットバンキング
  • 3.口座振替
  • 4.前納

ここからは、それぞれの納付方法について解説します。

方法1:納入告知書

納入告知書を使用した納付では、利用者は郵送で受け取った納入告知書に記載されている金額を、日本銀行やその他の指定された金融機関に直接持参し、期限内に支払う必要があります。もし支払いが遅れ、督促状を受け取った場合には、追加された延滞金も合わせて支払わなければなりません。
納付の手続きをするには、金融機関の営業時間内に出向く必要があるため、時間に余裕を持って手続きを進めることが重要です。

方法2:インターネットバンキング

デジタル化の進展にともない、インターネットバンキングを利用し、自分の銀行口座から直接電波利用料を支払えるようになりました。インターネットバンキングの利点は、金融機関の窓口に足を運ぶ必要がなく、休日や夜間でも手続きが可能な点です。
ただし、システムメンテナンス中は利用できない場合があり、また、インターネットバンキングでは領収書が発行されないため、必要な場合は、別途窓口での支払いが必要となります。

インターネットバンキングを利用する場合、まずは該当する金融機関のサービスに登録しましょう。その後、インターネットバンキングのホームページの指示に従って手続きをすれば、料金の支払いが完了します。
また、ATMを使用してキャッシュカードや現金で支払う選択肢もありますが、機種によって取り扱いが異なるため、事前に金融機関に確認する必要があります。

方法3:口座振替

電波利用料を納付する方法の一つとして口座振替があります。口座振替では事前に指定した銀行や郵便局、信用組合などの金融機関の口座から直接、電波利用料が引き落とされます。インターネットバンキング同様、金融機関の窓口を訪れる必要がなくなり、納付の手間を軽減できる利点があります。
口座振替を希望する場合は、免許の交付を受けた総合通信局に口座振替の申出書の提出が必要です。しかし、口座振替と前納を同時に行うことはできないため注意しましょう。仮に口座振替の申し込み後に前納を希望した場合、申し込みが無効となり承認取消通知書が送付されます。

方法4:前納

電波利用料の納付方法として、前納制度の利用も可能です。前納制度では無線局の免許期間内であれば、任意の年数分の電波利用料を一括して事前に納付できます。ただし前納は、包括免許には適用されません。
前納で支払いを済ませたい場合は、総合通信局に前納申出書の提出が必要です。無線局免許状に記載されている情報をもとに、申出書の必要事項を記入して提出しましょう。なお申出書は、免許状に記載されている通信局へ郵送が可能です。

申出書の提出後、翌年度から希望された期間にわたって電波利用料が前納されます。免許申請と同時に前納の申出をする場合は、その年度から前納が開始されます。また、前納できる期間には限度があり、無線局の免許有効期間を超えることはできない点にも注意が必要です。
前納制度は事前に一定期間分の料金を支払うことで、将来の納付手続きを省略できる利点があります。しかし、前納できる期間には条件があるため詳細をあらかじめ確認し、適切な手続きすることが求められます。

電波利用料に関するQ&A

ここからは、電波利用料に関するよくある3つの質問に回答します。

  • ●電波利用料がかからない無線機はある?
  • ●電波利用料は課税される?
  • ●電波利用料を納付しないとどうなる?

電波利用料がかからない無線機はある?

電波利用料がかからない無線機はあります。実は、すべての無線機が電波利用料の支払い対象になっているわけではありません。
たとえば、特定小電力トランシーバーがその一例です。特定小電力トランシーバーは出力が低く、使用に免許や登録申請が求められないため、電波利用料もかかりません。

同様にIP無線機のような電話回線を利用するタイプも電波利用料の対象外ですが、通信事業者の定める利用料金を支払う必要があります。

電波利用料は課税される?

電波利用料は課税されません。消費税の対象外となっており、納付にかかる手数料も不要です。納付書に記載されている金額そのものが支払額となります。

電波利用料を納付しないとどうなる?

電波利用料を期限内に納付しない場合、督促状が送られ、以降は延滞金が発生します。延滞金は納付すべき日の前日までの日数に応じて、年14.5%の割合で計算されます。遅延してしまった場合には追加料金が必要になるため、期限内に納付するようにしましょう。

まとめ

電波利用料とは、適切に電波を使用できる環境を整えるために欠かせない費用です。そのため、免許の交付を受けている人は電波利用料の支払いが義務付けられています。具体的な金額は無線局や無線免許ごとに異なります。
電波利用料の納付方法にはさまざまなものがあり、従来のように金融機関に足を運ばなくても支払いができるようになりました。インターネットバンキングの利用や口座振替を利用する際には申出書などの提出が必要になるため、利用するための手順を前もって確認することが重要です。

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