日頃から無線機を使用されている方は、手が塞がっていて通信ができなかったり、通話を遮って早急に報告をしたいと感じたりしたことはないでしょうか。無線機は人やものが集まるところでは必携と言われるほど、
さまざまな業種・業態で使用されていますが、受信中は発信ができないという特性を持っています。

今回はその特性を覆した同時通話無線機について、メリット・デメリットを交え詳しくご紹介します。単信方式の無線機で不便さを感じている方や同時通話無線機の導入を検討されている方はぜひチェックしてください。

同時通話無線機とは

無線機は、ひとりが複数人に対して、音声で情報を伝えることを目的に設計されている連絡ツールです。その為、携帯電話に比べて、集団に一斉に情報共有ができ情報伝達のスピードが早いという特徴があります。

しかし、一方が送信している間は受信しかできず、緊急の要件を伝えられない一面も持ち合わせていました。携帯電話の通信に慣れている人にとっては、使いにくさを感じるかもしれませんが、
その問題を解決したのが同時通話無線機で、相手が発信し終えるのを待つことなく通話が行えます。

仕組み

同時通話が行えない一般的な無線機は、ひとつの周波数帯で受信機と送信機を切り替えて行う通信方式、PTT(プッシュトゥートーク)を採用しています。
一斉通信・グループ通信・優先通信などの種類はありますが、ひとつの周波数帯で送受信を行っているため、送信と受信は常に一方向のみです。

また、話し終わらなければ相手が発言できないため、相手に自分の通話終了を知らせる必要があり、送信権を譲る際は「どうぞ」など、終了の意思を示す一言で締めるのが一般的です。

一般的な無線機との違い

同時通話が行えない一般的な無線機と同時通話無線機は、通信の仕組みに大きな違いがあります。ひとつの周波数帯で受信機と送信機を切り替えて行うPTTとは違い、同時通話無線機は、送受信で異なる周波数帯を活用するクロスバンド方式を採用しています。
送受信ごとにチャンネルが切り替わる仕組みのため、終了の意思表示をする必要もなくなり、気軽に同時通話が行えます。

同時通話無線機のメリット・デメリット

便利な同時通話無線機にもメリット・デメリットがあり、運用を検討する際には、あらかじめ理解しておく必要があります。

メリット

同時通話無線機のメリットは、より素早く連絡が行えることです。同時通話が行えない無線機の場合、急なトラブルが起きても相手の送信が終わるまで報告できないため、対処が遅れるデメリットがあります。

しかし同時通話無線機の場合、リアルタイムで通信ができるため、発生した問題を素早く共有し対処できます。また、普段から使い慣れている携帯電話と同じように通話ができるため、違和感なく無線機を使用できます。

さらに、送受信ボタンを押さずにハンズフリーで通信できるため、両手で作業しながら通話が可能になることもメリットです。

デメリット

同時通話型無線機のデメリットは、ほかの無線機に比べ通信距離が短くなる可能性があることです。
もし、従来の無線機から同時通話無線機に切り替えた場合、今までと同様に使用したときに通信距離が足りず困る可能性があります。
そのため、長距離での運用が考えられるのであれば、通信距離が長い同時通話無線機であるかの確認が必要です。

しかしながら、まだ同時通話に対応している無線機は少なく、代表的な無線機として、特定小電力トランシーバーかIP無線機が挙げられます。さらに、両種類とも全機種が同時通話に対応しているわけではないため、選択肢の少なさもデメリットといえます。
また機種によりますが、同時通話は基本的に通話人数が最大で9人までとなっており、無線機の1対複数と通話できる利点が限定的になってしまう事も懸念点の1つです。

同時通話無線機の活用シーン

同時通話無線機は、活用の仕方次第で大きな効果を得られます。とくに活躍する機会をいくつかピックアップし、想定される場面を例に挙げながら紹介します。

活用シーン1:建設現場

荷物の運搬や施工などで両手が塞がりがちな建設現場では、同時通話無線機が大きく活躍します。送信と受信が常に一方向のみの無線機の場合、連絡する際に送信のボタンを押す必要がありますが、同時通話無線機はハンズフリーで連絡を行えます。
また、同時通話できるスマートフォンを通信手段として使用した場合、操作するためにわざわざ手袋を外す必要がありますが、同時通話無線機はその手間がなくスムーズに連絡が取れます。

活用シーン2:工場

建設現場と同様に工場も両手が塞がりがちなため、ハンズフリーである同時通話無線機が活躍します。作業で手が汚れたり濡れたりする場合、連絡を取るために一度手を洗うなどの一手間がかかります。
また、手が汚れたまま無線機を使用すると、故障する原因にもなりかねません。同時通話無線機なら、作業を止めることなく連続通信が可能です。

なにより、同じ作業を複数人で行っていてもスムーズに連絡が取れるほか、緊急時や不測の事態にも素早く対応できます。

活用シーン3:アウトドア

キャンプやツーリング、登山、スカイダイビングなど、同時進行で作業を行うことが多いアウトドア環境でも活躍します。素早く情報を伝えられるだけでなく、移動しながら雑談を楽しむことも可能です。
また、アウトドアスポーツなどは初心者の人が使用する場面も想定され、慣れない環境のなかでは、無線機の操作はおぼつかなくなります。

同時通話無線機を導入すれば、送受信が操作不要のため初心者の人にアドバイスを送りやすくなるだけでなく、ナビゲーターが状況を把握しやすくなります。さらに安全が確保しやすくなるため、アウトドア環境を存分に楽しめます。

活用シーン4:イベント

イベントは会場の設営や撤去、イベント中の進行、誘導などさまざまな状況が考えられます。会場の設営や撤去、チケットのもぎりなど両手が塞がる作業の場合、ハンズフリーで連絡の取れる同時通話無線機は重宝されます。

さらに、イベント運営中は一か所に固まらず各自の持ち場にいるため、離れた複数人と同時に連絡を取り合うことが必要となる場面もあります。
なかには、タイミングを合わせて共同作業する現場も想定され、どの場面においても同時通話無線機は最適な通信手段といえます。

おすすめの同時通話無線機

ここからは、ジャパンエニックスがおすすめする同時通話無線機を3つ紹介します。気になる商品はリンクからカタログ・取扱説明書を確認できます。

Bb TALKIN’ CS2

Bluetooth電波を用いた同時通話型トランシーバーで、最大6人まで同時通話ができます。同時通話トランシーバーの難点といわれる、ペアリングの設定が簡単になったスマートリンクやオートペアリングが搭載された優れものです。

重さも65gと軽量で、身体のどこに装着しても負担を感じにくく、防水性能もあるため、使用場所や環境を選びません。

Bb TALKIN’ CS2について、こちらからさらに詳しくご覧いただけます。

WD-D10Series

一般的にインターカムと呼ばれ、親機を設置することで子機が最大10台まで同時に通話できる商品です。親機は据え置きタイプとポータブルタイプの2種類があり、使用環境によって親機を選べるのも魅力のひとつです。

また、同時通話は最大10台までですが、受信のみであれば最大64台まで対応できるため、使用人数が多い場合にも最適です。騒音下でも通話を妨げないクリアな音質もまた、幅広い現場で導入されている理由のひとつといえます。

WD-D10Seriesについて、こちらからさらに詳しくご覧いただけます。

DJ-P400

携帯型アナログトランシーバーだけで4人同時連続通話ができる、アルインコ社特許取得のシステムを搭載した業界唯一の商品です。強靭なポリカーボネート製の本体に加え、高性能の耐塵・防浸を兼ね備えており、
どのような現場でもタフに活躍してくれる1台です。

ひとつの番号を選んでセットするだけの手軽さや、一度ペアリングすればそれ以降は電源を入れる度に空いたチャンネルを自動で探してくれるフリーチャンネルなど、魅力的な機能が搭載されています。

DJ-P400について、こちらからさらに詳しくご覧いただけます。

まとめ

同時通話無線機の導入を検討する際に、通信距離を含め不安な部分があるかもしれませんが、ジャパンエニックスではお客様のご希望をヒアリングし、
最適な機種をご提案いたします。事前にデモテストを行い通信可能かどうかも確認できる為、安心して導入する事ができます。

納品後のメンテナンスやアフターケアも含め、豊富な専門知識と経験を備えた技術部員がサポートいたします。また、レンタル事業では業界トップの保有台数・品揃えで、ご希望のオペーレション体制をサポートいたします。

無線機の導入や利用をご検討の方は、ぜひジャパンエニックスにご相談ください。