業務でインカムを使用しているときに、スタッフから「相手が何を言っているかわからない」という声があがってくるケースがあります。この記事では、インカムを使用した通信で相手の声が聞き取りづらくなる原因と、それに対する解決策を紹介しています。
「インカムで何を言っているか分からない」という問題が頻繁に起こり、業務に支障が出て困っているときは、この記事をヒントにしてください。

インカムで何を言っているかわからないときの原因

インカムは警備やイベントなど、さまざまな業務のシーンで活用されている無線通信用の機器です。インカムを使用してスタッフ同士が連絡を取る際に、相手が何を言っているかわからない状態に陥り、コミュニケーションが成立しないケースがあります。
そのままでは業務に支障が出てしまうため、通信がうまくいかない原因を特定し、問題を解決する必要があるでしょう。その主な原因について、確認していきましょう。

原因1:インカムに慣れていないため

インカムで相手の声が聞き取れない原因のひとつは、使用者がインカムの使い方そのものに慣れていないことが考えられます。インカムはイベント会場などでスタッフ間の通信手段として使用されますが、経験の少ないアルバイトが多く採用されているケースもあります。
今までインカムを使った経験がない人や、インカムを通じてほかのスタッフと会話することに慣れていない人は、インカムを使いこなせないため意思疎通が難しく、相手が何を言っているか分からない状況になってしまうケースが多いでしょう。

原因2:使い方を間違っているため

インカムを使い慣れていないと、そもそもイヤホンをきちんと繋げられていない事もあります。イヤホンによっては、防水性能を上げるため深く押し込まないと正式に接続できない種類もあるため、インカムに慣れていてもアクセサリによっては注意が必要です。
またはイヤホンを使い慣れておらず、口元とマイクの距離が離れすぎている事もありえます。使う環境によっては、まわりの騒音が多い事もあるので、実際に使う現場で事前にテストする事を推奨いたします。

原因3:耳ゴムのサイズが合っていないため

インカムのイヤホンには、耳掛けタイプや耳挿しタイプなどがあります。耳挿しタイプの場合は、イヤーピースを耳に挿し込んで使いますが、イヤーピースの耳ゴムのサイズが合っていないと、イヤホンからの音声が聞き取りづらくなるケースは多いです。
イヤホンの耳ゴムには主にS・M・Lの3種類があり、サイズが合っていない耳ゴムを使って耳と耳ゴムの間に隙間が空くと、相手の声が聞き取れない原因になります。

原因4:音量設定が正しくないため

人によって聞こえやすい音量は異なり、小さすぎれば音が聞こえないのはもちろんのこと、大きすぎても逆にうるさくて聞き取れないケースがあります。
インカムで相手が何を話しているのか明瞭に聞き取れない場合は、本体の音量設定を調整してみるのも、ひとつの方法です。

原因5:イヤホンマイクが故障しているため

イヤホンマイクが故障していて音声が聞き取れないことも原因として考えられます。イヤホンをマイクから取り外せる場合は、イヤホンだけ別のものに取り替えて音が聞こえるかどうか確認しましょう。
イヤホンの故障であれば、イヤホンを新しいものに付け替えるだけで対処ができます。

原因6:混信しているため

インカムはほかの電波と混信してしまい、通信先の相手が何を言っているかわからない状態になることがあります。

周辺にインカムを使っている別のグループがいた場合、異なるメーカーのインカムを使っていても電波が混信するケースがあります。混信するとプツプツと音声が途切れ、相手の声が聞き取りにくくなります。
特定小電力トランシーバーなどは使用できるチャンネルの数が決まっているので、周辺で別のグループがインカムを使用していると、
そのグループと同じチャンネルで通信はできません。使われていない別のチャンネルを探すか、チャンネルが空くまで待つ必要があります。

原因が不明なケースもある

本体やイヤホンは壊れておらず、使い方も合っているにもかかわらず、インカムで相手の声が聞き取れない問題を解消できないことがあります。
体質によっては特定の周波数の音が聞き取りづらい人や、インカムから流れてきた音声を言葉として認識しにくい人もおり、はっきりした原因を突きとめられない場合もあるでしょう。

インカムで何を言っているかわからないときの対処法

インカムで何を言っているかわからない原因を把握できたら、次はその対処法を知っておきましょう。インカムを使用した通信で、相手の話す内容が聞き取れないときの対処法を5つ紹介します。

対処法1:使い続けてインカムに慣れる

使用者がインカムの操作に慣れていない場合は、何回か使って正しい操作方法を身につけましょう。
インカムで話すときは、本体の電源を入れてからチャンネルを合わせます。使用予定のチャンネルをすでに誰かが使っている可能性があるため、使いたいチャンネルを周囲で使っている人がいるかどうかチェックしましょう。
使用する予定のチャンネルに合わせたら送信ボタンを押して呼びかけ、返答がなければそのチャンネルを使っても問題ありません。

単身方式のインカムを使用してコミュニケーションを取る場合は、発言者が送信ボタンを押しながらマイクに向けて話します。発言の最後に話し終わったことを示す合図として「どうぞ」と添えるのがポイントです。送信ボタンを離すと通信が終了します。
対して複信方式は、携帯電話のように相手を呼び出して使うのが特徴です。送信側が送信ボタンを押し、呼び出された相手側も送信ボタンで応答すると、通話ができる仕組みです。
通信を終わらせるときは、どちらかが送信ボタンを押せば終了できます。

対処法2:使い方や設定に問題がないか確認する

インカムの使い方や設定を確認しましょう。商業施設やイベントでインカムを使う場合、周囲にいる人の声やBGMなどによる雑音の影響で、インカムからの音声がよく聞き取れないケースがあります。その場合は音量を調整して、聞き取りやすい大きさに設定しましょう。
耳には「きき耳」というものがあり、右耳のほうが聞き取りやすい人もいれば、左耳のほうがよく聞こえる人もいます。きき耳にイヤホンを挿し込むと、音声が聞こえやすくなる可能性があるため、左右の耳でどちらがクリアに聞こえるか試してみましょう。

また、イヤホンにセットする耳ゴムは耳の穴にフィットする大きさのものを選び、隙間ができないようにします。インカムに付属されている耳ゴムのフィット感が悪い場合は、別の耳ゴムを購入して付け替えてもよいでしょう。

フォームタイプの耳ゴムは、耳の形に沿って形状が変化する機能があります。滑りにくいタイプの耳ゴムもあり、イヤホンがよく耳から外れてしまう人におすすめです。
電波が弱いせいで音声が聞き取りづらいケースもあるので、電波を遮るような壁や高い建物などが周辺にないかどうか、あわせてチェックしてください。
電波が弱いときは障害物がない場所に移動するほか、周波数を変えると音声の聞こえ方が改善する場合があります。

対処法3:インカムの管理方法に気を付ける

日ごろからインカムを正しい方法で適切に管理すると、インカムの故障を防げます。インカムには砂やホコリがつきやすいため、使い終わったらエアダスターやブラシを使用して、汚れをしっかり落としましょう。
本体にイヤホンケーブルを巻きつけて保管するケースが多くみられますが、ケーブルが断線してしまう原因になるので、避けてください。イヤホンマイクは本体から取り外し、フックなどに吊るして保管するとよいでしょう。

また、インカムはバッテリーや電池を使用しているため、バッテリー切れ・電池切れにも注意してください。

使い方が簡単で、近距離の通信によく使用されるのが「特定小電力トランシーバー」です。このタイプのトランシーバーには、単三電池やニッケル充電池が入っていて、2〜3日で電池切れになるケースが多いでしょう。
より広範囲の通信が可能な業務用簡易無線機には、リチウムイオンバッテリー(リチウムイオン電池)が内蔵されています。業務で使う際は使用後に毎回充電が必要です。

リチウムイオンバッテリーには寿命があり、充電を繰り返すうちに容量が少なくなって電池の持ちが悪くなるので、すぐバッテリー切れになってしまう場合は電池を交換しましょう。
メーカーにもよりますが、充電できる最大回数が500回程度のリチウムイオンバッテリーもあります。その場合は毎日充電を繰り返しても約2年は使えますが、正しい使用方法や保管方法を徹底しないと、バッテリーの消耗が早くなります。

充電器に本体を挿した状態での使用や、完全放電は無線機の劣化を早めるため気をつけてください。高温になる場所に長期間置いておくのも避けましょう。
頻繁にインカムを使用しない場合や、イベントなどで一時的にインカムを使いたい場合は、レンタルサービスの利用がおすすめです。

インカムのレンタルサービスは、フル充電の状態で貸し出してもらえたりや、使用後の管理・手入れの手間を省けたりするメリットがあります。

対処法4:別のインカムを購入する

インカムに問題があり、故障していて音声がよく聞こえない場合は、販売店または製造元に連絡を取って修理の依頼をしましょう。またジャパンエニックスでは、他店で購入された無線機の修正も承っており専門の技術部門がございますので、お気軽にお問い合わせください。

インカムが古くなっているケースでは、修理より逆に購入した方が安くなる事もあります。また修理をしても解決しない場合もありますので、新しいインカムを購入することも考慮し、販売店かジャパンエニックスまでご相談ください。

対処法5:現場に合った無線機を導入する

無線機にはいくつか種類があり、使用するシーンに適したインカムを選択すると、何を言っているかわからない問題を解消できる可能性があります。
業務で使用されることが多い、3つのタイプの無線機を紹介するので、コスト・通信距離・用途で比較してみてください。

特定小電力トランシーバーは、無線機のなかでもとくに安価でサイズがコンパクトなため、手軽に使用できます。近距離の通信に向いているため、小規模な屋内施設で使用するのに適していますが、遮蔽物の影響で電波が弱くなりやすいのがデメリットです。
簡易業務用無線機は、1~5km離れていても通信可能で、屋外のイベントや大規模施設内での使用も可能です。電波が強力なので、障害物があっても安定した通信ができます。ただし、本体が大きめで重量もあるため、長時間の持ち運びには向いていません。

IP無線機は、携帯電話のデータ回線を利用して送受信を行う通信機器です。契約した携帯電話キャリアの電波がつながる場所なら日本全国どこでも通話できます。ただし、IP無線機は携帯電話回線を使うため通信料が発生します。
特定小電力トランシーバーとIP無線機は、資格・免許なしで使用できる無線機です。一方で、簡易業務用無線機を使用するには、免許状または登録状の申請が必要です。

以上をふまえ、使用する現場や使用シーンに合わせて、適切な無線機を比較してみてください。ご自身で選ぶには不安がある場合、または実際に現場で電波が飛ぶのか確認したい場合、
ジャパンエニックスにご相談いただければ無料デモテストも行っております。

まとめ

インカムを使用していて「相手が何を言っているかわからない」という問題が起きたら、原因を突き止めて対策を行いましょう。安定した通信状態を確保するためには、利用シーンに合った無線機を選ぶことが大切です。

ジャパンエニックスでは、お客様のヒアリングや現場調査を行い、問題の原因を突き止めて最適な対策をご提案いたします。他店で購入された無線機やイヤホン、アクセサリだけの購入もご対応可能です。
気になる事があればお気軽にご相談・お問い合わせください。