インカムは、離れた人と円滑なコミュニケーションが取れる非常に便利な機器です。業務中などは必須といえるインカムですが、便利であるがゆえに長時間使用してしまい、耳が痛くなることがあります。

耳を痛いまま放置してしまうと、難聴などのリスクがあるため、可能な限り早めの対処が重要です。そこで今回は、インカムを使用して耳が痛くなる原因と対処法をご紹介します。対処法を試して耳の負担を軽減しましょう。

インカムの使用で耳が痛くなる原因

インカムを使用して耳が痛くなる原因をいくつかご紹介します。痛みが進行する前に予防する方法などもあわせて解説します。

イヤホンが硬すぎる

使用するイヤホンが硬すぎると耳が痛くなる原因になります。耳に接触する部分が硬い素材の場合は、接着面に知らず知らずのうちに負担がかかっているのです。

イヤホンにはカナル型とインナーイヤー型の2種類があります。大きな違いは、耳の接着面です。カナル型のイヤホンは、耳の奥に入れるタイプであり、イヤーピースを使用しているため、イヤホンの表面は柔らかいものが多いです。

一方でインナーイヤー型イヤホンの場合は、耳の表面の耳介にイヤホンパーツをひっかけて使用するため、表面が硬くなっています。インナーイヤー型は耳への圧迫が少ないというメリットもありますが、サイズが合っていないと耳が痛くなる原因になります。自分に合ったサイズのイヤホンを選んでください。

耳の奥まで差し込んでいる

耳の奥までイヤホンを差し込んでいることは、耳を痛める原因になります。これは、主にカナル型のイヤホンで生じやすいです。

相手からの声を聞き取りやすくするためにイヤーピースを奥まで差し込んでしまいがちですが、可能な限り音量で調整してください。ただし、音量を上げすぎると耳への負担になるため、聞き取りやすい音量への調整が必要です。

また、サイズが大きすぎるイヤホンを無理やりに奥まで差し込んでしまうと耳を痛めてしまいます。インナーイヤー型・カナル型、いずれのタイプを使う場合もサイズ選びには十分に注意する必要があるでしょう。

休まず長時間使用し続けている

たとえ自分の耳に合っているイヤホンを使用していても、休まずに長時間使用し続けていると耳が痛くなってしまうことがあります。休憩時間にはインカムを外す、接客以外の業務はインカムを外すなどの対策が求められます。

また、長時間使用すると耳の中がジメジメして、細菌が増殖しやすい環境へ変化します。取り外して再度使用する際、耳に接する部分は、消毒をしてから使用するようにしてください。

外耳道に負担がかかっている

外耳道に負担がかかることも耳が痛くなる原因になります。外耳道は、耳の入り口の耳介から耳の奥の鼓膜までを結ぶ道です。

特に密閉度が強いイヤーピースの使用や、相手の声をよく聞こうとするあまり、耳を抑えて聞く癖がついてしまうと外耳道に刺激を与えてしまうので注意が必要です。

インカムを使用し続けた際に起こりうる症状

インカムを使用した際に起こりうる症状をいくつかご紹介します。放置すると危険な症状もあります。

耳の病気を防止するためには、普段と違う症状がでたときに、早急に病院を受診することです。症状の早期発見で、症状が進行する前に薬などで治療を始めることができる可能性もあります。

突発性難聴

突発性難聴は、原因不明の感音難聴です。インカムを使用し続けることで生じる内耳のウイルス感染、血行障害などが突発性難聴を引き起こす可能性があるとされています。

症状は、唐突にやってくることがほとんどで、前日までは何ともなかったものの、翌朝目覚めると難聴になっていることに気づく場合もあります。片側だけが聞こえにくくなることが多く、同時に耳鳴りが起きることもある症状です。

騒音性難聴

騒音性難聴は、大きな音で内耳有毛細胞が傷つくことが原因で生じる感音性難聴です。工事現場やライブ会場などの大きな音が常にしているような場所にいると、発症しやすい難聴として知られています。

有毛細胞は一度傷がつくと、再生は困難です。治療はビタミン剤などが使用されますが、あまり効果は期待できないため、予防が非常に重要です。

インカムの使用も場合によっては、大きな音が常にしている場所と捉えることができます。活発なコミュニケーションが行われており、それを大きな音量で聞いている場合などは、騒音性難聴になるリスクがあるといえます。

症状は難聴と耳鳴りがメインですが、発症の初期には難聴を感じることがありません。症状が進行してから気が付く場合が多いので、早期の発見が難しい症状です。

外耳炎

外耳炎は、外耳道の皮膚が傷つき、炎症を起こす症状です。主に頻繁な耳掃除などが原因であるとされていますが、硬くてサイズが合わないイヤホンを長時間つけているなどの外部からの刺激でも発症することがあります。

外耳炎になると耳がかゆくなったり、痛くなったりする症状があらわれます。耳がかゆくなることは炎症が起きているサインです。また、耳タブを引っ張ったり押したりすると痛みを感じる場合や、インカムをつけるときに違和感を覚えるなどの症状がみられた場合は、外耳炎の可能性があります。

一般的には外耳道の清掃や薬剤の塗布、抗生剤の内服で治療可能です。外耳道周辺に腫瘍ができているケースは、膿を出すために切開することもあります。

外耳道真菌症

外耳道真菌症はインカムを長期間使用したときや、イヤホンで外耳道を傷つけたりしたときに起こりうる症状です。アスペルギルスやカンジダのような真菌と呼ばれるものが、外耳道に寄生することによって発症します。

外耳道真菌症は、強いかゆみが特徴です。炎症箇所に耳垢がつまる、真菌が増殖して鼓膜を覆ってしまうと、難聴が現れる可能性もあります。外耳道を清掃し、抗真菌剤の塗布や点耳などで治療可能です。

インカムの使用で耳が痛いときの対処法

インカムで耳が痛いときの対処法を4つご紹介します。耳が痛い状態を放置して我慢するのではなく、いずれかの対策をとって耳の負担を減らしましょう。聞こえが悪い、耳鳴りなどの症状がでた場合は早めの受診するようにしましょう。

左右を入れ替える

片耳だけを使用する場合は、適度に左右を入れ替えることは効果的です。数時間おきに左右を入れ替えるなどして両耳を均等に使用すれば、片側の耳で一日業務にあたっていた場合と比較して、単純計算で片耳にかかる負担を半分にすることができます。

最初は違和感を覚えるかもしれませんが、慣れれば使用には問題ありません。また、たとえば外耳炎など、片耳に症状があらわれている場合は、症状が収まるまでは違う耳でインカムを使用してみてください。

取り外して適度に休める

長時間にわたってインカムを使用している場合は、取り外して耳を休めることも重要です。たとえば、インカムを使用する必要がない業務を行うときには、ほかのスタッフにインカムを外すことを伝えてから外すなどのルールを決めるといいかもしれません。

業務時間中に休めることが難しい場合は、休憩中は自身のイヤホンで音楽を聴くことを控えるなど、意図的に耳を休める時間を取ることも大切になります。

柔らかい素材のイヤホンに変える

業務上、どうしても長時間の使用が避けられないこともあります。そんなときには、軟らかい素材のイヤホンに変えて、できる限り耳の負担を減らすことも選択肢の一つです。

イヤーピースをシリコン素材などの柔らかいものを選べば、外耳道への負担を軽減できるでしょう。ただ、柔らかい素材の場合、先述したように耳の奥までイヤーピースを押し込んでしまうことも考えられます。大きな音で聞いてしまうと、内耳も傷つけてしまう原因になるので、注意が必要です。

ヘッドホンタイプに変える

接客業でないならば、イヤホンをヘッドホンタイプに変えることも検討してください。ヘッドホンタイプであれば、耳の中にイヤホンを入れる必要がないため、必要以上に耳にダメージを与えるリスクを抑えることができます。人の目に触れる機会が少ないコールセンターなどでは非常におすすめです。

しかし、飲食業やアパレルスタッフなどの場合は、ヘッドホンタイプを使用することでマイナスの印象を与えてしまうこともあります。業種などに応じて使用するイヤホンは検討しましょう。

骨伝導イヤホンに変える

ジャパンエニックスオリジナルのイヤホン、骨伝導イヤホン(通称:Bone WAVEボーンウェーブ)をおすすめします。この骨伝導イヤホンは、耳の軟骨を利用し骨伝導で音を聞くもので、鼓膜への負担が軽減します。長時間の使用でも鼓膜を痛めにくく、また両聞き可能で、接客中のお客様の声とイヤホンの音声を両方聞き取れるのが特徴です。形状もインナーイヤー型で、耳の穴に奥まで差し込まないので疲れにくく、耳ゴム部分も水拭きでき交換も可能なのも魅力です。従来のイヤホンに比べ、騒音下でも音を認識しやすく、かつ会話の内容が漏れにくく業務用として最適ですので、ぜひ下記URLより無料デモテストをご利用ください。
https://www.jenix.co.jp/accessory/BW-01/

インカムとトランシーバーの違い

ここまで、インカムを使用して耳が痛くなった場合の症状や対処法をご紹介しました。そもそも、インカムがどういったものかご存じでしょうか。

インカムとは、トランシーバーに音声機器を接続した状態のことをいいます。つまり、トランシーバーの1種がインカムです。

結局のところインカムもトランシーバーであり、違いと呼ぶには多少の違和感があるかもしれません。しかし、通信内容を聞き取る方法に大きな違いがあり、聞き取る方法によって別々に呼ぶことができます。

具体的には、トランシーバーは機器を手に持ち、声を直接機器に伝えることで通信するのに対して、インカムは接続したイヤホンを装着して通信を行うという違いがあります。使用する用途によって使い分けることが可能で、トランシーバーは複数人が聞き手になる場合に便利です。その場にいれば無線機を装着していなくても、双方の通信を聞くことができます。

一方で、インカムは周囲が騒がしく音声が聞き取りにくい場所や、静かな場所での使用に適しています。ハンズフリーで通信を行うことができるので、トランシーバーのように手がふさがることがないことも利点です。

インカムがよく使用される業種

インカムがよく使用される業種は、屋内施設や店舗であれば飲食店やアパレルショップなどがあげられます。また、イベント運営や施設警備などの屋外でも使用されることが多いです。さらに公共施設である学校や自治体、介護医療施設などでも使用されています。

いずれも、従業員同士のスムーズな連携や、トラブル発生時の情報共有、離れた場所での状況把握などに非常に便利です。特に接客業を中心にインカムは必須不可欠なものになっています。

まとめ

今回は、インカムを使用して耳が痛くなる原因や対処法を詳しくご紹介しました。インカムを長期間使用すると、突発性難聴・外耳炎などのさまざまな症状のリスクがあります。柔らかい素材のイヤホンの使用や適度に取り外すなどの対処法を行いましょう。

インカムは、現在ほとんどの業種で使用されています。これからもインカムを利用して業務の効率化を行ってください。本サイトでは業種・用途などから無線機を選ぶことができます。

お店で使用する場合とイベント施設で使用する場合とでは、通信距離なども大きく異なります。利用可能な通信距離も無線機選びのポイントです。ぜひ業種に合ったぴったりの無線機を選んでみてください。