無線機イヤホンを使う際、無線と有線の2つの選択肢があります。ただ、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらがおすすめとはいえません。無線と有線、それぞれのイヤホンについて理解を深めると、自社に合った選択ができるようになります。

この記事では、無線機イヤホンの無線と有線それぞれのメリット・デメリットやおすすめのシーンについて解説します。記事の後半では、無線機イヤホンの有名メーカーを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

無線の無線機イヤホンの特徴

近年はワイヤレス化が進んでおり、無線機イヤホンでも無線で使えるものが出てきています。無線の無線機イヤホンは、携帯性が高く便利です。しかし、デメリットもあるため、把握しておきましょう。

ここでは、無線の無線機イヤホンのメリット・デメリット、おすすめのシーンについて解説します。

メリット

無線の無線機イヤホンのメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

・移動しやすい
・騒音環境でも聞き取りやすい

無線の無線機イヤホンはワイヤレスであるため、通常の有線イヤホンよりも移動の自由度が高く、動きやすいです。有線イヤホンのようにケーブルが絡まったり、引っかかったりする心配がないため、快適に使用できます。

また、無線の無線機イヤホンは小型で軽量なため、持ち運びやすいです。とくに、複数の場面で使ったり移動しながら使ったりする場合では、手軽に持ち運べるのはメリットといえます。

無線の無線機イヤホンは独立しているため、しっかりと耳にフィットさせ、装着感を確保する工夫がなされているのも特徴です。ノイズキャンセリング機能を搭載しているものもあるため、騒音環境でも外部の音が入りづらく、音声を聞き取りやすくなっています。

デメリット

無線の無線機イヤホンのデメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

・電池の持ちが短い
・信号の乱れが起きる可能性がある

無線の無線機イヤホンはバッテリーを内蔵して使用しているため、有線イヤホンよりも使用時間が限られてしまいます。バッテリーの消耗が早いケースもあり、頻繁な充電が必要になりかねません。

また、無線の無線機イヤホンは無線で信号を伝送するため、建物や壁、ほかの電子機器などの障害物によって、信号の乱れが起こる可能性があります。そのような場合、音質が劣化したり接続が途切れたりするケースがあるため、注意が必要です。

近くに無線の無線機イヤホンを使用している人がいる場合も電波の干渉が起きる可能性があり、会話が聞こえないと業務に支障が出てしまいます。業務で使ううえではデメリットになってしまう要素です。

こんなシーンにおすすめ

無線の無線機イヤホンは移動しやすかったり持ち運びやすかったりする面もありますが、一方で充電が必要だったり信号の乱れが起きたりする可能性もあります。そのため、基本的には業務で使用するより、個人の趣味で使用するのがおすすめです。

たとえば、スポーツやアウトドアなどのアクティブなシーンです。ランニングやキャンプ、スキーなど頻繁に動くアクティビティの場合、コードが邪魔にならず動きやすいのはメリットになります。

また、片方の耳にだけイヤホンをつけての使用もできるため、シーンに合わせて使い方を変更可能です。個人の趣味であれば多少会話が途切れても問題ないため、無線の無線機イヤホンの便利さを活用できる機会といえます。

有線の無線機イヤホンの特徴

有線の無線機イヤホンは、有線で接続されるタイプの無線機イヤホンです。主に、プロの無線通信技術者やレスキュー隊、陸上自衛隊など、高度な無線通信を行う専門家に利用されています。

ここでは、有線の無線機イヤホンのメリット・デメリット、おすすめのシーンについて解説します。

メリット

有線の無線機イヤホンのメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

・信号の乱れが起こりづらい
・長時間の通信が可能

有線の無線機イヤホンは信号の乱れが起こりづらいため、安定した通信が可能な点が最大のメリットです。理由としては、有線のため信号の途切れや電波の干渉が少ないことが挙げられます。

とくに、電波の届かない場所や信号の乱れが起こりやすい場所での通信において、有線の無線機イヤホンは非常に役立ちます。

また、有線のため電池の心配がなく、長時間の通信が可能な点もメリットです。無線の無線機イヤホンの場合は電池残量に限界があるため、長時間の通信は不可能です。とくに業務中は長時間の通信が必要なため、有線のメリットといえます。

デメリット

有線の無線機イヤホンのデメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

・配線が必要
・設置や取り扱いに工夫が必要

有線の無線機イヤホンのデメリットは、配線があるため移動の自由度が低い点です。イヤホンコードが邪魔になったり、イヤホンとデバイスとの距離が制限されたりするケースがあります。

また、有線のため配線が複雑になるケースがあり、設置や取り扱いに工夫が必要です。業務で使用する場合は、快適に使えるように考慮しましょう。

こんなシーンにおすすめ

有線の無線機イヤホンは、信号の乱れが起こりづらく長時間の通信が可能な点がメリットです。そのため、業務で使用する場合など、信頼性の高い通信が必要なシーンにおすすめです。また、イベント会場や工場など、大規模な場所での無線通信にも利用されます。

配線が必要だったり設置や取り扱いに工夫が必要だったりしますが、業務で無線機を扱っている場合であれば、問題なく使用可能です。会話をしっかり聞き取れて、長時間の通信が可能という有線の無線機イヤホンのメリットを最大限活かせます。

そのため、業務で無線機イヤホンを扱う場合は、無線ではなく、有線を検討するのがおすすめです。

無線機イヤホンの有名メーカー

無線機イヤホンを取り扱っているメーカーは国内外問わず複数あり、どのメーカーも特徴があります。

それぞれのメーカーの特徴を把握し、自社に合った無線機イヤホンを選択できるようにしましょう。ここでは、無線機イヤホンの下記7つの有名メーカーについて解説します。
・ケンウッド
・モトローラ・ソリューションズ
・アイコム
・スタンダード
・スタンダードホライゾン
・アルインコ
・wave CSR

モトローラ・ソリューションズ

モトローラ・ソリューションズは無線通信機器メーカーの老舗で、1928年にシカゴで設立されました。コンシューマ向けの製品だけでなく、ビジネス向けや公共機関向けの通信機器なども幅広く取り扱っており、軍事用としても採用されている、世界シェアNo1のメーカーです。

無線機イヤホンに関してはコストパフォーマンスに優れており、初心者から上級者まで幅広く利用されています。そのため、初めて無線機イヤホンを利用する人からプロまでおすすめできるメーカーです。

スタンダード

スタンダードはアマチュア無線・業務用無線の老舗メーカーとして、日本市場で親しまれていました。今ではモトローラ・ソリューションズの完全子会社のブランドで、2012年からは業務用無線に特化しています。

国内では教育や警備、商業施設など、さまざまな業界で使われている人気メーカーです。モトローラ・ソリューションズのサポートがあるため、無線機イヤホンに関しても高い品質と信頼性で人気を得ています。

スタンダードホライゾン

スタンダードホライゾンは、1956年に設立された八重洲無線のブランドの一つです。スタンダードホライゾンでは、レジャーやマリン、特殊用途向けの通信機器を製造しています。

業務用船舶でも使用されており、どのような過酷な状況でも優れたパフォーマンスを発揮するため人気を集めています。ジャンルを絞っているため、GPSや緊急通信、防水性能に優れているのが特徴です。船舶関係の業種であれば、まず検討すべきメーカーといえます。

アイコム

アイコムは1964年に設立された国内の無線機メーカーで、50年以上の歴史を誇ります。アマチュア無線機をはじめ、陸上用や海上用、航空用の無線機、ネットワーク機器などさまざまなジャンルの無線機を製造しているのが特徴です。

日本だけでなく、北米や欧州など世界中から愛されており、さまざまなシーンで使用されています。シンプルな性能でありながらも高品質なため、人気を誇っています。

アルインコ

アルインコは1938年に大阪で創業された国内の無線機メーカーです。取り扱っている無線機はビジネス用からレジャー用、アマチュア無線機まで多岐にわたります。

ほかのメーカーとは異なり、無線機以外にも仮設機材や施工サービス、ホームフィットネスなどの事業を展開しているのも特徴です。

特定小電力トランシーバーや消防救急用無線機器など、さまざまな用途に合わせた機器を生産しています。そのため、根強い人気を誇り、独自の路線で活躍しています。

ケンウッド

ケンウッドは日本の音響機器メーカーで、カーオーディオやヘッドホンで有名です。無線機のイメージは薄いかもしれませんが、音響機器メーカーならではのノウハウを活かした高音質な無線機イヤホンを特徴としています。

製品ラインナップにはアマチュア無線や登録局、特定小電力トランシーバーがあり、法人向けにもサービスを展開しています。商業施設からゴルフ場、運搬など業種別で細かく分かれているため、ニーズに合った製品を探しやすいです。

wave CSR

wave CSRは2004年に創業されたメーカーで、業務用無線機から特定小電力無線機、消防救急受令機などを取り扱っています。

耐塵・防水性能がある点や、軽量でコンパクトなため持ち運びやすいのが特徴です。ほかにも、それぞれの機器ごとにさまざまな機能があるため、目的に合った製品を見つけられます。

実際に北海道の足寄町ではwave CSRの防災行政無線システムが活用されており、町民への情報提供手段になっています。さまざまな用途で使える製品を販売しているため、業界から支持を得ているメーカーです。

まとめ

無線機イヤホンを使う場合は、無線と有線のどちらかを選ぶ必要があります。ただ、どちらにもメリット・デメリットはあるため、それぞれの特徴を把握し、選択しなければなりません。

無線の無線機イヤホンは移動しやすいですが、信号の乱れが起きる可能性があります。有線の無線機イヤホンは配線が必要ですが、安定した通信が可能です。それぞれの詳しいメリット・デメリット、おすすめのシーンはこの記事で紹介しているため、参考にしてください。

また、無線機イヤホンを展開しているメーカーは複数存在します。それぞれのメーカーで特徴があるため、この記事を参考に把握し、自社に合った無線機イヤホンを選択しましょう。

ただ、無線機イヤホンの購入には費用がかかります。お試しで使ってみたい場合や安く抑えたい場合は、レンタルでの使用がおすすめです。まずは、レンタルで無線機イヤホンを使ってみてはいかがでしょうか。